スラムダンクは読んだけど、Bリーグはまだ観ていなかった男子【サンロッカーズ渋谷観戦】
「あきらめたら、そこで試合終了ですよ…?」「なぜオレはあんなムダな時間を……」「左手はそえるだけ…」など、数々の名言を残した漫画『スタムダンク』。同作品に触発されてバスケットに関心を持った人は少なくないのでは。作者の井上雄彦さんは現在、車イスバスケ『リアル』の連載にも挑戦しています。
そんな漫画を通して身近になったバスケット。2シーズン目を迎えたBリーグがあるのにも関わらず、「まだ、実際に観戦したことがない」というのは筆者だけはないかと思います。そんな皆さんに「Bリーグもめちゃくちゃ楽しいぞ」ということをお伝えすべく、『スラムダンクは読んだけど、Bリーグはまだ観ていなかった男子』として、数回にわたって同リーグの観戦記をお伝えします。まずは、サンロッカーズ渋谷から。
超好立地にあるサンロッカーズ渋谷のホームアリーナ
東京の渋谷を本拠地とするBリーグ所属チームがサンロッカーズ渋谷(SR渋谷)。前身は日立製作所男子バスケットボール部となっており、これまで(日立時代に)計20回の全国タイトルを獲得したチームです。
SR渋谷のホームアリーナはなんと青山学院記念館。つまり、青山学院大学のキャンパス内にある体育館でBリーグの試合を開催しているのです。そんなホームアリーナは、非常にアクセスが良いのが特徴。渋谷ヒカリエなど再開発が進み、街が変わりつつある渋谷駅から10分ほど歩けば到着しますし、ファッションの感度が高い男女が集う街・表参道の駅からは3分ほど。そんな超好立地にホームアリーナを構えているのです。
そのせいもあって、古くからのバスケットファンや、Bリーグからバスケット観戦し始めたような若い世代が融合され、SR渋谷のホームアリーナには、様々な年代の方々が足を運んでいます。筆者が訪れたのは、10月14日(土)に開催された名古屋ダイヤモンドドルフィンズとのホームゲーム。試合開始時間は18時05分。それまでの時間を街遊びに費やし、そのまま観戦しても20時頃には試合が終わるので、ご飯を食べて帰ることができる。まさにシティボーイ・シティガールが楽しむには十分な遊びだと言えるでしょう。
黄色をチームカラーとするSR渋谷。一歩、ホームアリーナに入ると黄色一色となっており、ホームチームの背中をおすような空間が仕上がっています。体育館に元々あった2階の観客席に加えコートに近い1階にもアリーナ席が設置されています。特にコートサイドの席はクッション性、背もたれのある椅子となっており高級感、安心感があります。こちらの1階仮設スタンドの指定席は3800円(前売り価格)。Jリーグや野球などのチケットと比較すると、やや高く感じるかもしれませんが、その疑問は実際に会場に足を運ぶことで払拭されることでしょう。どうにもこうにも、観覧席とコートがとても近いのです。試合中に選手が発する言葉はほとんど聞こえてきますし、キュッキュッとバッシュがコートにすれる音も聞こえてきます。没入感ある空間で観戦するバスケットの試合は、少々高くても納得のものでした。
また、1階に設置されたプレミアム席はコートとの距離が約1メートルに設定。隣が選手ベンチになるので、コーチや選手の声が飛び交います。もう、目の前で躍動する選手たちを観ることができるのです。もちろん、そのぶんお値段も高額で、SR渋谷のプレミアム席は15000円(前売り価格)になります。同様にゴール裏に位置するコートエンドだと1列目が7300円(前売り価格)、2列目が5800円(前売り価格)。どこから観戦しても選手との距離感が近く、また音響も整っていることから、試合にのめり込みます。巨大アリーナを使用するのではなく、大学の体育館だからこその楽しみ方があるのです。
『スラムダンク』ファンとしては、倒れこみながら桜木が流川にパスをしたシーンがあったな……、山王工業の深津のゲームメイクは秀逸だったな……、赤木・魚住・河田・花形など、やっぱりゴール下は迫力あるな……など、実際のシーンを物語に乗せて回想して楽しんだりもしていました。
スニーカー好きとしては、必然的に選手の足元に目がいってしまいますよね。『ナイキ(NIKE)』や『アンダーアーマー(UNDER ARMOUR)』と、様々なブランドのシューズを選手は履いていました。大柄な選手たちの動きを支えるシューズ。攻守の切り替えを瞬時にするためのステップワークや、リバウンドのため相手選手より1cmでも高くジャンプしたり。華麗なスリーポイントシュートも腕のコントロールだけでなく、柔らかい膝や固定された足首があってからこそだということがわかりました。
難敵揃いの東地区で戦う今季のサンロッカーズ渋谷
サンロッカーズ渋谷は、昨季はチャンピオンズシップへの出場を果たしましたが、今季のリーグは、難敵揃いの東地区に移ってしまいました。アルバルク東京や千葉ジェッツ、川崎ブレイブサンダースといったチームが揃うリーグの中で、どのようなパフォーマンスを見せるか、注目が集まっています。今季のチームは、アシスタントコーチからヘッドコーチに昇格した勝久ジェフリーさんが指揮をとり、昨季から中心選手だったキャプテンの伊藤駿選手、広瀬健太選手(昨季スティール王)、ベンドラメ礼生選手昨季新人賞)をはじめ大阪から移籍してきた昨季のブロック王のジョシュ・ハレルソンさんなど、見どころはたくさん。チームの特徴はそのスティールの多さ。昨季の1試合平均は8本で、これはリーグNo.1。広瀬さんやベンドラメさんを追いかけていると、その高いスティール力に圧倒されるかも。
この日の試合は、87-81で勝利。両チームが最後まで得点をとり続けた白熱したゲームとなりました。まだまだリーグ戦は始まったばかり。この難しいリーグの中で、サンロッカーズ渋谷がどのようなパフォーマンスを見せるのか、今後もしっかり追いかけようと思いました。というのも、初めてのBリーグ観戦でしたが、これは屋内スポーツの魅力の一つかと思いますが、空間への没入感が非常にあり、すっかりバスケット競技にのめり込んでしまいました。また、渋谷のど真ん中で楽しめるというのもポイントが高いですね。買い物の後に、もしくは、食事の前に……、シティボーイとシティガールを楽しませる空間が青山学院大学の体育館にありますよ。
サンロッカーズ渋谷の日程はこちらから。