バスケ“3on3”のトップリーグ『3×3.EXE PREMIER』! スピード感溢れるゲームの魅力とルール
かつて3on3として親しまれていた競技が、国際バスケットボール連盟承認の競技『3×3.EXE PREMIER』として盛り上がりをみせています。
バスケとは異なる“3on3”とは?
そもそも、3on3とはどのような競技なのでしょうか。3on3は、ストリートバスケで行われる3対3のバスケで、5人制のバスケットボールとは区別されてきました。このスリーオンスリーは、基本的なルールは5人制のバスケットボールと変わりません。しかし長い間、統一されたルールがない状態でした。そこで、国際バスケットボール連盟FIBAが3on3の統一ルールを定めて世界中誰でも共通のルールで対戦できる環境を整備し、2007年から正式競技種目として扱われるようになりました。
3×3(スリーバイスリー)は、3on3が元となりFIBAの基準にのっとった“公式”の3人制バスケの名前を“3×3”としています。つまり、3on3と3×3の違いは、国際的にルールが決まっているかどうかという点が言えます。
“3on3”特有のルールとは?
(1)コート
3on3は、通常のバスケットは異なるルールで展開されています。まず、コートは横15m、縦11m。つまり、バスケットボールのコートのハーフ・コートを使用して行われます。同じ大きさのハーフ・コートだけが描かれたコートを使用することもあります。3×3のゲームでは、バスケットボールのコートにおける“スリー・ポイント・ライン”を“ツー・ポイント・ライン”と呼んでいます。
(2)得点
ツー・ポイント・ラインの内側からのショットによるゴールは1点。ツー・ポイント・ラインの外からのショットによるゴールは2点としています。フリースローによる得点は1点とされています。
(3)競技時間
基本的には5分間のピリオドを2回行う、10分間とされ短期決着が特徴です。
(4)勝敗
競技時間が終了した時点で得点の多いチームを勝ちとしますが、どちらかのチームが21点以上得点したときは、その時点でゲームは終了。そのチームを勝ちとします。
(5)ショットクロック
ショットクロック(シュートを打つまでの制限時間)は12秒と短く、ゲームが間延びすることはありません。
(6)ファウルとフリースロー
ファウルには2種類のファウルがあり、チーム・ファウルとプレイヤー・ファウルがあります。1チームに各ピリオド4回のチーム・ファウルが記録されると、罰則が適用されます。チーム・ファウルの罰則が適用されるとき、ショットの動作中でないプレイヤーがファウルをされたときは、ファウルをされたプレイヤーに1回のフリースローが与えられます。
1人のプレイヤーに4回のプレイヤー・ファウルが記録された場合は、そのプレイヤーは交代しなければならず、以後そのゲームに出場することはできません。
ショットの動作中のプレイヤーがファウルをされそのショットが不成功、ツー・ポイント・ラインの内側からのショットの場合、ファウルをされたプレイヤーに1回のフリースローが与えられます。
さらに、ツー・ポイント・ラインの外からのショットの場合は、ファウルをされたプレイヤーに2回のフリースロー。ショットの動作中のプレイヤーがファウルをされそのショットが成功した場合、得点は認められ、ファウルをされたプレイヤーに1回のフリースローが与えられます。
(7)交代とタイムアウト
選手はコートに立つ3人のプレイヤー意外に1人の控え選手が認められ、選手の交代はボールがデッドになったときはいつでも認められます。
(8)その他のルール
バスケットの3ポイントラインの外からのシュートは2ポイントとなっており、内からのシュートは1ポイント。そして、ボールサイズは6号球(重さは7号球)を使用しています。
3×3の見どころのひとつは各チームの個性
バスケットと同じようで異なる3×3。見どころはそれだけではありません。各チームの個性がどんどん出てきているのです。
全国36チームは6カンファレンスに分かれて試合を行います。TOKYO DIME(トウキョウダイム)のオーナーは、お笑いコンビ麒麟の田村裕さんらが務めており、小松昌弘選手、鈴木慶太選手といった日本代表選手がそろい、優勝候補筆頭です。
そして、日本代表の不動のエース・落合知也選手が所属する栃木のブレックスは、北日本地区1位の強豪。元5人制バスケットの日本代表選手だった渡邉拓馬選手を要するタチカワダイスも実力のあるチームです。
プロリーグといえども、ほとんどの選手は、平日は別の仕事をかかえています。中部地区1位のゼッスリーに所属する菊池亨選手は、建設業の仕事後にバスケットに取り組みます。タチカワダイスの池田千尋選手は中学校の教諭。他にも、外資系企業に勤めていたり、薬剤師、公認会計士といった仕事に就く選手も。このような身近な存在であることも3×3の魅力の一つではないでしょうか。
9月に開催されたPLAYOFF/FINALではマーベルとコラボ。マーベルのヒーローとプレミアプレーヤーを重ねた表現が見もの。例えば、前出の落合選手なら、マーベルのソー。「一撃必殺――自分に絶対的な自信があり、強気に立ち向かえるから成せる業だ。雷神ソーは、屈強な体躯を持ち、究極のハンマーを手にして、どんな状況でも怯むことなく突き進む。稲妻をも操り、相手を一蹴させる力を一度は失うが、逆境を前にして復活。スケールアップした闘争心は、頼もしく限りだ」と、ソーのキャラクター解説は落合選手そのもの。こういったユニークな取り組みがあるのも3×3の魅力です。
スピード感が高く、バスケの魅力が凝縮された3on3
12秒以内に必ずシュートが放たれるので、すぐに攻守がチェンジ、あっという間に点数が入っていきます。切り替えの速さがバスケの魅力ではありますが、3×3はよりスピード感が高められてバスケの魅力を凝縮したルール。とてもエキサイティングなゲームを楽しめます。
また、選手たちは短い時間の中、一瞬で判断し、プレーするため、駆け引きも魅力と言えます。小さなコートで行い、短い競技時間とはいえ、常に動き回るためゲームが終わると疲労困憊になる選手もいるそう。
また、5人制のトップレベルになれば1日1試合しか行われませんが、3×3は1日に2~3試合と続きます。ハードな競技ゆえに、多くの試合を乗り切れる体力が必要とされます。
街の中や商業施設など、気軽に見に行ける3×3
コンパクトなコートで行われる3×3。そのため、トップリーグの試合会場も駅前やショッピングモール、そして、漁港などで開催されるから面白いのです。会場では音楽が鳴り響き、MCが会場を盛り上げるイベント性もあり、誰でも気軽に観に行けるのが魅力。街中でダイナミックなプレーが見られるのも3×3の醍醐味となっています。
3×3を観に行ってみよう
やるスポーツだけでなく観るスポーツとしても、今後注目されそうな3×3。気軽に観に行けて、バスケの楽しさをより感じられる3×3。誰よりも早く、この流れにのってみませんか。皆さんのお住いの近くで開催されないか、要チェックですよ。