プーマ『ライダー』シリーズの物語【プーマ担当者がスニーカーを語る】
スニーカーの数だけ物語がある。また、そのスニーカーを履く人のこだわりが加わると、さらに物語は奥行きあるものになります。
普段から多くのスニーカーに触れている各メーカーの担当者に、お気に入りのスニーカーを聞くと、思いがけないエピソードがこぼれてきました。珠玉のスニーカー、今回は『プーマ(PUMA)』のライダー<RIDER>シリーズの新作3足です。
プーマのマーケティング本部ブランドエヴァンジェリスト・野崎兵輔さんが、誕生から40年目にして新たに進化した、プーマのクラシックランニングシューズの名作について語ってくれました。
プーマ マーケティング本部ブランドエヴァンジェリスト
野崎兵輔さん
レトロな外観を持ちながら、快適な履き心地に進化
――『ライダー』シリーズはどんなスニーカーですか?
今回特にオススメしたいのが、ライダー<RIDER>シリーズ誕生から40年のアニバーサリーイヤーを迎える今年発表された『ファストライダー ソース<FAST RIDER SOURCE>』『フューチャーライダー<FUTURE RIDER>』『スタイルライダー<STYLE RIDER>』の3足です。
まず、ライダーシリーズの元祖とも言えるファストライダー<FAST RIDER>がデビューしたのが1980年。
ファストライダーは、二股のスタッドが着地時に開くことで衝撃を吸収し、元に戻ろうとする力で反発性を生み出すフェダーバインソールを搭載した画期的なランニングシューズです。世界的に権威のあるランニング誌『Runner’s World』のシューズ テストで最高の5スターを獲得したほどでした。このシューズの開発に関わったのが、当時バイオメカ理論の第一人者と言われたピーター・カバナー博士。今年発表されたファストライダー ソース<FAST RIDER SOURCE>は、名前の通り、オリジナルを踏襲した仕様です。プーマらしいシャープなシルエットと、スポーティーな配色が魅力です。
そしてフューチャーライダーは、ファストライダーの細身で綺麗なシルエットを残しつつ、ミッドソールには反発性の高いモールテドEVAを採用して、弾むような履き心地を実現しています。スタイルライダーはシルエットはボリューム感があり、アッパーの外周を包み込むような、曲線型のミッドソールが特徴です。粗目のオープンメッシュ、毛足の長いスウェード補強などレトロな外観を持ちながら、クッション性と安定性を両立し、快適な履き心地を持ったシューズに仕上がっています。
フューチャーライダー、スタイルライダーはともにオリジナルのフェダーバインソールとは異なった単一のスタッドに変更し、快適に街履きできるようアップデートされています。
様々なファッションやライフスタイルに合わせやすい
――今回発表された3足のお気に入りのポイントは?
フューチャーレトロな外観と、それぞれのシューズが持つ個性的な履き心地が気に入っています。オリジナルモデルを尊重しながら、色々なファッションやライフスタイルに合うように上手くアップデートされていると感じています。
普段からクラシックなスニーカーを愛用している方なら、ファストライダーは鉄板モデルと言えるでしょう。
また、クラシックなスニーカーしか履かない方にも、フューチャーライダーやスタイルライダーであれば、自信を持ってオススメ出来ます。若いスニーカーファンの方々にとっても、レトロランニングモデルのフィーリングと、現代的なシルエットを持つスニーカーとして受け入れてもらえると信じています。
小学5年生の時、憧れのファストライダーは18,000円…
――『ライダー』シリーズとのストーリーを教えてください。
ファストライダーこそ、僕が初めてスポーツブランドのシューズを意識したモデルです。小学校5年生の時(1982年)、スポーツ店で旧西ドイツ製のものが18,000円で売られていました。
ブルー/イエローという配色と、何よりスパイクのようなイボイボのソールの見た目に心を奪われてしまったのですが、当然、買ってもらえるわけが無く、長きに亘り憧れの一足になりました。
発売から30周年の2010年に初めて復刻され、昨年末にも復刻。もちろん両方とも購入して履いています。子供の頃憧れだったオリジナルも入手し、全部で3種類をコンプリートしました。
そんな思い入れの強いファストライダーのバリエーションとして登場した、フューチャーライダーやスタイルライダーもお気に入りで、インラインモデルやコラボレーションモデルまで幅広く愛用しています。