
フラワーデザイナー・Tangni Liさんが愛する、adidas「スーパースター」。“定番なのに唯一無二”
「あの人、素敵」。東京では、思わず振り返ってしまう人と出会うことがある。どんな活動をしているの? どんなスニーカーを履いてるの?……。DOORでは、そんな「素敵なあの人」にインタビュー。今回話を聞いたのは、フラワーデザイナー・Tangni Liさん。花屋「yuan」(Instagram)としてポップアップストアで出店したり、撮影のフラワースタイリングをしたりと、花にまつわる活動をしています。花を仕入れる市場では走ることも多いという彼女。動きやすさはマスト、でも、キレイめに履ける。それが、『アディダス(adidas)』のスーパースター<Superstar>だそうです。
お花で“縁”をつないでほしい。だから「yuan」
「チューリップ」をテーマに、東京・北沢の大山緑道沿いにあるクレープカフェ「ØC tokyo」でのポップアップストアにて行われたインタビュー。鮮やかなチューリップに春の訪れを感じるおだやかな空間で、Tangni(トウニ)さんははじけるような笑顔で出迎えてくれました。
――お店は持たないスタイルですか。
「花をはじめたのがまだ去年なので、今のところは。一人でやっているので、今はオンラインとポップアップでの活動が中心です。そのほうがフットワーク軽く動けて。将来的にはお店も持ちたいですね」
――活動をスタートされたのは去年なんですね。
「それまではアメリカへ留学して、学びながらさまざまなことに挑戦していました」
――どんなきっかけでお花屋さんに?
「コロナ禍あたりからお花の存在の大きさに気づき、支えられることが増えました。なんとなく『お花を飾りたいな』と思いはじめて、お花屋さんに行くことが増えて。そうすると自然と元気が出て。もともと花は好きでしたけど、お花屋さんをやろうとまでは全く思ったことがなくて。でも、花に触れるうちに、なんとなくお花屋さんでバイトしてみようかなぁ、と思いはじめたんです。でもなかなかバイト先が見つからなくて、知り合いの花屋さんのお手伝いを無償でするようになって。そうするうちに、知らない間に市場に行ってて、知らない間に花を買ってて。そんな様子をインスタグラムのストーリーに上げていたら、友達から『お花屋さんはじめたの?』とコメントをもらったりして。気づいたら花屋になってました(笑)」
――“好き”がきっかけ。思い出深いお花とのエピソードってありますか?
「お家にお花を飾ってあることが多かったです。ユリが特に母のお気に入りだったのを覚えてます。あとは、祖父母。とくに祖父は鉢植えや生き物を育てるのが得意な人で。幼少期にみてもらった時期もあり、その影響もあるのかもしれないです。自然とお花が好きになりました」
――「yuan」で大切にしてることは?
「質のいいお花を仕入れるようにしていること。買った後も長く楽しんでもらえるように、長持ちしやすいお花を仕入れています。あとはお花を並べたときに、見た目がなるべくかぶらないように。選んでもらうときに、楽しいじゃないですか。色が似ていたとしても、違う雰囲気のシェイプだったり。自分であまり意識はしていないんですけど、友達にブーケを作ってあげたりすると『高級感があるね』と言われたりもします。キレイめな感じで、でもちょっと個性がある。そういうのを自然と意識しているのかも。でも、直感かな。すごいこだわりがあるというワケでもなく……」
――店名の「yuan」の意味は?
「ご縁の『縁』という字の、中国語でいう「ピンイン」が「yuan=ユエン」。両親が中国の出身で、生まれは日本ですが、ルーツは中国にあります。お花を贈り合ったりすることで、ご縁がつながる、ご縁が戻ってくる。そんなきっかけになりますように、と思ってこの名前をつけました。イメージ的には、まあるい、ふんわりしたような」
――ほかにされている活動とかはありますか?
「撮影のフラワースタイリングのアシスタントに入ることも。1本ずつお花を売るのも大好きだし、お花でなにか表現できたら素敵だなって。フラワーデザイナーとしても、どんどん活動を広げていけたらいいなと思っています。そういう仕事をさせてもらえるのも、『縁』ですよね。楽しんでやらせてもらっています」
モードに履ける機能派。アディダス『スーパースター』
――スーパースターの魅力は?
「お花屋さんって、本当に体力仕事なんですよ。市場では歩きまわるのはもちろん、重いものを持って走ることもあるぐらい。スニーカーをすぐ履き潰しちゃうくらい、日々動きます。でも、このスーパースターなら、大丈夫。汚れにも強いし、仕事中に履いていて安心感があります。もう2年ぐらい履いていますね」
――2年も履いている割には、すごくキレイ。
「仕事柄、靴をすぐ履き潰しちゃうんですけど、この子はすごくキレイに履けています。汚れも目立たなくて。メッシュ素材のスニーカーと比べると風を通さないから、暖かい気がする。ちゃんと考えたことなかったけど挙げるとめっちゃありますね、いいところが」
――デザインで好きな部分は?
「スニーカーだけど、スポーティすぎない感じ。この丸っこい見た目。昔からずっと変わらないデザインじゃないですか、でも今の洋服と合わせても可愛くてフィットする。キレイに履けるところが好きですね」
――ファッションもキレイめが多いですか?今日みたいなモノトーンとか。
「モノトーンが多いですね。スニーカーも黒を選ぶことが多いです。あと履く靴は、革靴が多いですかね。同じスーパースターでも、白ベースに黒ラインだとスポーティ感が少し強くなりますが、黒ベースに白ラインだとキレイめに履ける。なんていうんでしょう、若干革靴っぽい感じがありますよね。そこが好きです。パールのアクセサリーを合わせても浮かないし、パンツでもスカートでも合うし。ほどよくボリュームがあるから足首も細く見えて、スタイルよく見えるのもお気に入りです。私にとっては唯一無二のスニーカーかも」
お花が姿をだんだん変えるように、素直に生きたい
――Tangniさんが一番好きな花は?
「チューリップです。『思いやり』という花言葉も素敵。チューリップは茎を切ってもニョキニョキと伸び続けるので、花が重くなってお辞儀したような姿になるんです。そんなところも、やわらかい感じがしてかわいい。一年中咲かないというのもいいですね。今の時期だけ。桜みたいに、儚い。最後は、花が垂れてすごい姿になるんですよ。私、それが結構好きで。いろんな表情を見せてくれるのが、愛おしくて」
――しおれてからも愛おしいって、素敵。
「お花って、その表情をどんどん変化させますよね。つぼみから少しずつ花びらが開き、満開を迎え、日が経つにつれてだんだんとしおれ、花びらが散り……と、色やシェイプが変わります。そういった変化も含めて、お花を楽しめるし、美しいと感じます。お花のそんな姿を見ていると『自分も素直でいていいんだ』と思えて。猫を飼っている人が、猫みたいに生きていきたいと言ったりするじゃないですか、それと同じかな。お花を触っていると、自分に素直に生きてもいいんだ、と勇気づけられます」
【撮影協力】
ØC tokyo(オーシートーキョー)
東京都世田谷区北沢5-27-16 KMK1F
9:00〜(営業時間の詳細は公式SNSを参照)
※今後もØC tokyoにて、定期的にポップアップストアを開催予定
日程の詳細はyuanインスタグラムを参照