メレル『モアブ スピード ゴアテックス』の物語【メレル担当者がスニーカーを語る】
シューズの数だけ物語がある。また、そのシューズを履く人のこだわりが加わると、さらに物語は奥行きあるものになります。
普段から多くのシューズに触れている各メーカーの担当者に、お気に入りのシューズを聞くと、思いがけないエピソードがこぼれてきました。珠玉のシューズ、今回は『メレル(MERRELL)』の『モアブ スピード ゴアテックス<MOAB SPEED GORE-TEX>』です。
ブランドマーケティング部マーケティング・メレルPRの田中祐介さんが、メレル至上最上級のアウトドアパフォーマンスシューズについて語ってくれました。
ブランドマーケティング部マーケティング メレルPR
田中祐介さん
メレル40周年を記念する『モアブ』
――『モアブ スピード ゴアテックス』はどんなスニーカーですか?
メレルが誕生して40周年の記念すべきアニバーサリーイヤーである2021年春、モアブ スピード ゴアテックス<MOAB SPEED GORE-TEX>が、ベールを脱ぐことになりました。こちらは、ブランドのロングセラーアイコンであるハイキングシューズ、モアブ<MOAB>をベースに“ハイキングシューズの新基準”を体現すべく、スタイルから構造までを現代的にアップデートさせたダイバーストレイルシューズ(多様なトレイルに適応するシューズ)です。
モアブの原型モデルが2000年に発売後、2007年に現在のモアブのファーストモデルが誕生し、一躍“キングオブハイキングシューズ”と称されるようになるまでは時間がかかりませんでした。その理由は、メレルが開発した『モアブ』のラスト(シューズの構造の基となる木型)からもたらされる優れたフィット感と、従来の登山靴のイメージである「固い、疲れる」といった常識を打ち破る、スニーカーのような快適な履き心地でした。
テクノロジー面でも、靴に完全防水構造をもたらゴアテックスメンブレン、業界随一のグリップ力や耐久性を誇るヴィブラムソールなど、パートナーカンパニーの技術を惜しみなく積極的に搭載することで、マルチアウトドアシューズといったポジションを確立し、ハイキングに留まらず、多くのシーンで履かれるようになりました。
モアブのファーストモデルが10年も続くロングセラーとなり、2017年にはモアブ2が誕生、今もなおその人気は衰えることなく、メレルのパフォーマンスカテゴリーでは常にベストセラーアイテムとして君臨しています。
ブランドファウンダーの一人であるクラークマティスは開発当時、そのラストを“メレルマジック”と語り、またモアブの名前の由来を“MOTHER OF ALL BOOT”と説明しています。原型モデルの発売から20年後にメレルPRを担当している私には、製品のこれまでの偉業が見えているからこそ、現代のような技術革新が起こる前の時代に作られた靴が、今も変わらず多くのアウトドアファンに愛され、実用されていることに驚きと感銘と尊敬の念を感じる次第でした。
これらの歴史的背景の元に迎えるメレルの40周年アニバーサリーイヤーは、発売から累計販売数2,500万足越の実績を誇るモアブを、新作発表と共にセレブレーションする1年として位置付け、“YEAR OF THE MOAB”というコンセプトを掲げています。
アスレティック アウトドアの頂点を目指すメレル『モアブ』
――オススメしたいポイントは?
トレイルランニング、キャンプなど、アウトドアアクティビティを楽しむ人が増えるとともに、ファッショントレンドにまで空前のアウトドアブームが起こり、シューズもその波に乗りながら、「山から街まで」といったキーワードが散見されるようになりました。ただし、過去5年の経過において厳密にその成長因子をみていくと、シューズカテゴリーでは全体の成長を引き上げるエンジンとなる、驚異的な成長軸が見えています。
それは、トレイルランニングシューズをはじめとした“アスレティック アウトドア”カテゴリーと呼ばれるもの。ここ数年アウトドアパフォーマンスのグローバルマーケットでは、トレイルランニングシューズが、現代におけるマルチアウトドアシューズとして台頭しています。特に若年層においては、履く環境が限られるようなトラディショナルなアウトドアブーツより、スニーカー感覚で気軽に履けて、デザインも斬新、ただしアウトドア環境でパフォーマンスを発揮てくれる靴、ということでトレイルランニングシューズが選ばれています。
この時代背景をもとに、アスレティックアウトドアカテゴリーの刺客として“ハイキングシューズ新基準”をもたらすために開発されたのが、モアブ スピード ゴアテックスです。ゼロベースから開発するのではなく、2500万足x両足=5000万もの足型にフィットし、愛用されてきた実績と信用のあるモアブ ラストを採用。現代的で革新的な技術と、洗練されたデザイン、スタイルを落とし込むことで、新たに“ダイバーストレイル”(ハイキングシューズとトレイルランニングシューズのハイブリッド)というポジションを確立、パフォーマンス性と履き心地とスタイルの真の融合を実現しました。
メレルはこの新作を次の20年を担うブランドのパフォーマンスアイコンとして、自信をもってオススメいたします!
注目のポイントは機能とスタイル+サスティナブル
――『モアブ スピード ゴアテックス』とのストーリーを教えてください。
モアブ スピード ゴアテックスを初めて手に取った瞬間、手前みそでありますが「至極の一足が出来上がった」と感じるとともに、発売に向けてワクワク感が込み上げました。
ハイキングシューズとして手に持ったとしたら無骨さもなく、あまりにも軽い。トレランシューズとして手に持ったとしたら、ランニングシューズにしては構造体がしっかりしていて、ソールの固さもランニングシューズのような柔らかさではない。
そして足を入れたときに驚いたことは、足を優しく包むもピタッとフィットする“ラスト”による秀逸さと共に、ハイキングシューズスペックを踏襲するからこその安定性と、トレランシューズ構造をベースにした俊敏性と快適性、現代のニーズに確実にマッチする要素を詰め込んだ一足であると感じました。
アッパーには履き心地のごわつき感をなくし、軽量性を追求した透湿防水素材『GORE-TEX INVISIBLE FIT』を採用。アウトソールには、製造工程にでる廃材を30%配合させつつ、優れたグリップ力と耐久性を発揮する、メレル専用に作られた『Vibram EcoDuraアウトソール』を搭載することで、質の高いアウトドアパフォーマンスを発揮します。
また、VibramEcoDuraアウトソールのラグに採用された『TRACTION LUG』は、国内マーケットでは初採用となるVibram社の最新特許技術であり、段差のある山型のラグ形状が表面積(着地面)を増加させることで、最大25%のトラクションの向上をもたらします。
更に特筆すべきは、独自開発した『Float Pro』ミッドソール。驚くべき軽量感をもたらしながら、従来のEVAミッドソールと同レベルのクッション性、耐久性を担保し、更に製造プロセスで一切の廃材を出さないという、軽くて快適なエコを実現。シューレースやライニングも100%リサイクル素材から作られるなど、各所にサスティナブルな要素を取り込んだ、メレル至上最上級のアウトドアパフォーマンスシューズと言えます。
最後に、このブランドのニューアイコンシューズがなぜここまでおすすめかというと、快適性やパフォーマンス性はもちろん、サスティナブルな素材や斬新なカラーパターンで演出される緻密で洗練されたデザインが、ファッションスニーカーとしても成立し、アーバンアウトドアスタイルを確立するからです。ファーストシーズンのアッパーカラーは、アースカラーからクールブラックまで展開し、今後もさらなる拡大が予定されています。
“山と街をつなぐ”を新たな領域で実現する最新シューズ、モアブ スピード ゴアテックスを、是非ともお試しください!