【街に馴染むあの頃の定番スニーカー】プーマ・スウェードまとめ4選。
90年代のスニーカーを愛用している、“kicksラバー”にお話を聞く人気企画【街に馴染むあの頃の定番スニーカー】。これまで、SNSなどでオシャレな履きこなしを発信する多くの方々に登場していただきました。誰もが知る有名モデルを始め、注目度の高いスニーカーの数々が登場してきましたが、今回は『プーマ(PUMA)』に注目。過去にこの企画で紹介された、プーマのスニーカーの中でもスウェードについて振り返ってみましょう。
(1)「聖地に生まれ、沼に浸かる」
@ryo____chanさんのお話は2023年8月に公開されました。
――生活において、スニーカーとどのようにかかわっていますか?
自身の職業は一般的な会社員です。見た目、キャラはおそらく営業職にしか見えませんが、一応元々製品開発に携わるような人間です。
さて、私のスニーカーとの関わりについてです。幼少時代からバスケットボールを続けており、高校では全国大会まで経験。このバスケットボール人生を通じてスニーカーやバッシュは比較的身近な存在でした。また最近では、会社の制服が自由になり、スニーカーを頻繁に履き替えて、気分転換しつつ仕事に励んでいます。休日は、スニーカー(特にPUMA)と服の合わせをいろいろ考えて、インスタへの投稿を楽しんでいます。
――購入した理由やキッカケは?
PUMAにハマったきっかけをまずはお話ししますね。私の地元は静岡県藤枝市です。これだけで、すでに察する方も多々いらっしゃると思いますが、藤枝にはMAGFORLIA(マグフォリア)というPUMAの聖地と呼ばれるお店があります。私の両親がたまたまテレビでMAGFORLIAが特集されていた番組を録画しており、その録画をみて興味と共に初めて訪れました。
店主の山田さんは、とても気さくな方でした。お店ではPUMAの魅力についてのお話だけでなく、靴の履き方、靴のサイズ合わせ(フィッティング)も丁寧に対応くださいました。訪問時にはPUMAに興味がなかったのに、帰る頃にはPUMAスニーカーを1足購入していました(私のPUMA1足目はBASKET 90680)。
山田さんの魔法でPUMAの沼にハマり、今では浸かっています(笑)。SUEDE 90681の存在を知り、今では後継モデルSUEDE VTG、SUEDE VTG MIJの魅力にどっぷりハマってしまいました。
その中でも私の一番のお気に入りはSUEDE VTG MIJ MAGFORLIA。
――お気に入りのポイントは?
お気に入りのポイント。。。全てです。そのデザイン性に惚れています。
私のような素人からするとディティールがどうかなんて語れません。これがリリースされる時に、この靴をどうやって履きこなすか考えているのがとても楽しかった記憶があります。
――履く際のコーディネートやスタイリングでこだわっていることは?
パンツとスニーカーの合わせ。特にスニーカー×デニムの組み合わせが好きです。その際、ソックスも実は重要な引き立て役をしてくれていることをここ数年で学んでいます。白ソックスがパンツ裾とスニーカーの間からちらっと見えるコーディネートは大好物です。
※野崎兵輔さんのインスタをとても参考にさせていただいております。
今、自分がいろいろ試しているのは、オフィスカジュアルでPUMAを履きこなすこと。
シャツ×パンツ×スニーカー(PUMA)を開拓したく、自身のコーディネートを通してPUMAを履く人が社内で増えたらいいなと思っています。「社内でもPUMA良いですよね」と言われるようになり、男女ともにPUMA kicksが増加中(笑)。
――kicksラバーになったキッカケは?
もともと流行りものが好き! といった性格ではなく、VINTAGE、職人が創るものに魅力を感じる性格でした。
中学生で、自分のお小遣いで初めて購入したスニーカーはADIDAS JABBAR LOW。当時はNIKE AIR FORCE1、ADIDAS SUPERSTARを周りの子は履いていました。今思うとなぜそれを選んだのか覚えていないのですが、アッパー、ソールがとても柔軟で、カジュアルシーンでも、さらには屋外スポーツ、走るのにも不都合ない名作だと記憶しています。この頃から、靴・スニーカーが好きだったのかもしれません(直感的に)。
PUMAにどっぷりハマり始めて、最近憧れのスニーカーを数足購入。巷ではもうほぼ手に入らないSUEDE MID MIJ、自分もCollectorsしか見たことありませんが、その原型となったと思われるSUEDE(YELLOW名称不明)です。PUMA kicksラバーになった時には、もう発売しており、入手困難な一足だったので、山田さんから購入させてもらったものと、その後別でマイサイズを入手できた時には感動でした。宝物です。
――あなたにとってスニーカーとは?
“人の印象を支える大黒柱”
スニーカー、革靴もそうですが、シューズって実際、見える部分としては全体の10%くらいなのに、その人の印象の大部分を占めるアイテム。
ファッションにおいて“印象”はとても重要だと考えています。トップス/ボトムスの組み合わせをどれだけ引き立てられるか、あるいはスニーカーをどれだけアピールできるかを具現化することはとても面白いと実感しています。
――90年代のファッションやスニーカーへの思いを教えてください
生まれたのが1990年で、ちょうどその時期のファッションについては物心がついてない時で詳しいことはわかりません。
2000年前後は、NBAではヒップホップのようなルードスタイルが流行っていました。今を見てみるとユニフォームパンツは膝上丈でパツパツ。スパッツがパンツ下から見えるような、まるで80-90年代のようなスタイルです。そう思うと、ファッションってどんな周期か明確ではないですが、少し形を変えて戻ってくる(サイクルがある)なと感じます。
私はアイビー系が好きです。この系統は、50-60年代スタートで、ブレないものかなと個人的に思っています。それもあってアイビー×PUMAなんて組み合わせで、人とは少しテイストの違ったコーディネートに今後はトライしたいと思っています。
(2)「コレクター心を擽る」
@suzuhiro_23さんのお話は、2023年12月に公開されました。
――生活においてスニーカーとどのようにかかわっていますか?
1986年生。長野県在住。
スニーカーにこだわりがある、という訳ではありません。プーマ全般が好きで服や小物類含め家にあるほぼ全てがプーマです。プーマファンです! 物流関係の仕事をしており、スポーツショップや靴屋さんと日々、関わっているのでスニーカーが常に身近にあります。
――購入した理由やキッカケは?
初めてスウェードを購入したのは2013年くらいだと思うのですが、思い出深くより好きになったキッカケは2足あります。
一足は2018年購入のSUEDE50周年モデルの『SUEDE CLASSIC BBOY FABULOUS』。
当時、東京で働いていたのですが、12月の仕事納めの帰りに原宿のプーマストアに寄って1年間のご褒美として買いました。着用回数も一番多く、思い出が詰まった一足。PUMA SUEDEの魅力に気づいたのがコレです。
もう一足は『SUEDE VTG BILLY’S』という、スニーカーショップ「BILLY’S ENT」の別注モデルです。スニーカーを購入するのはプーマ公式とビリーズさんがほとんどで、プーマに限らず自分好みのスニーカーばかり扱ってくれるのでショップに行くのがいつも楽しみです。
――お気に入りのポイントは?
『FABULOUS』はファットシューレースとの相性の良さ、スウェードの魅力を最大限に引き出してくれるところです。
『VTG BILLY’S』は シューレースが付属で2種類付いてくるほか、スリッポンタイプにもなり一足で4パターン楽しめるところ。自分はほとんどシューレース無しのスリッポンで履いてます。それからちょっと細かいのですが、ステッチがフォームストリップと同色のシルバーなところも気に入っています。
SUEDEは色んなアーティストやブランドとのコラボが多くカラーも豊富で、また足数が少なくレアなアイテムも多々あり、コレクター心を擽るところがお気に入りポイントです。
――履く際のコーディネートやスタイリングでこだわっていることは?
こだわりは極力、紐を縛らないことぐらいでしょうか。そのため購入の際、サイズを落としたりもします。
――kicksラバーになったキッカケは?
自分がサポーターをしているJリーグの「ジュビロ磐田」は、数年前まで長らくプーマがサプライヤーを務めていました。
10年以上前の話ですが、スタジアムにいた時、観客の多くがプーマのスニーカーやトレーニングシューズを履いていることに気付きました。サポ仲間に「なんで?」と聞いたら、「静岡は昔からプーマと関わりがある」ということ、そして「プーマの商品を買えばチームの強化になる」と言われ、サポーターはそこまでするのかと衝撃を受けたんです。それまではナイキなども履いてましたが、それからスニーカーはほぼ全てプーマになりました。
――あなたにとってスニーカーとは?
小さい頃、家に引きこもりがちでしたが、親が新しい靴を買ってくれる度に外に出るのが楽しかった記憶があります。「一歩踏み出そう!」と思わせてくれるアイテムてす!
――90年代のファッションやスニーカーへの思いを教えてください
ヴィンテージというフレーズにはあまり魅力は感じていません。世代的に90年代~現在にかけてのハイテク系の方が好きです。プーマを愛するものとしては70s80sも知識を入れたいところですが、まだ勉強中です……。
(3)「長年憧れたカラーを纏う最高の一足」
@azy0912さんのお話は、2023年12月に公開されました。
――生活においてスニーカーとどのようにかかわっていますか?
スニーカーの魅力に惹かれてもう30年近く経ちますが、一貫して変わらないのは時代や世間の流れに全く影響を受けないこと。独自のこだわりを持ってスニーカーを選んでいます。
特定のメーカーやモデルに偏ることがないため、守備範囲はビンテージから最新モデル、パフォーマンスシューズまで様々。5〜600足のスニーカーに囲まれて生活しています。
――購入した理由やキッカケは?
その中でも最近特に目が離せないのがPUMAの『SUEDE』と『CLYDE』です。
この緑色の『SUEDE』は2022年にABC-MART GRAND STAGE別注で販売された『PUMA SUEDE VTG MIJ HC GS』。
1974年に販売されていたサッカートレーニングシューズ『HEYNCKES COMET』のカラーを纏った最高の逸足。個人的に長年憧れ追い求めたビンテージシューズの一つでもあります。GRAND STAGEのイメージカラーのグリーンともリンクさせているそうです。
――お気に入りのポイントは?
先ほど述べたように、長年憧れたシューズのカラーであることもそうですが、もう一つのポイントは「MADE IN JAPAN」であることです。
PUMAは10年以上前から『匠コレクション』として日本製の『JAPAN SUEDE』を作り続けてきました。
言うまでもない品質の良さと履き心地が保証された『JAPAN SUEDE』はある意味、半世紀前に作られたビンテージになる前のスニーカーを、現代において新品の状態で履けることに近いと思っています。
――履く際のコーディネートやスタイリングでこだわっていることは?
スニーカー好きの方に多いと思いますが、服からスニーカーを決めるのではなく、履きたいスニーカーに合わせて服を選ぶ。強いて言うならそこが絶対のこだわりですね。
――kicksラバーになったキッカケは?
初めて自分のお小遣いでスニーカーを買ったのは1994年の中学1年生の時。
当時はスニーカーの知識なんて全く無くて、青が好きだったと言う理由で選んだNIKEの青×黄の『SUEDE』というモデル……そう今回の『PUMA SUEDE』と同じ名前なんです。
スニーカーの知識がつき始めた20代前半に気付いたことがあって。自分が生まれた1981年に販売されていた『INTERNATIONALIST』という、NIKEの名作ランニングシューズがあるのですが、偶然にもその色も“青×黄”のカラーリング。
そこで運命的な何かを感じ、さらにスニーカー熱は加速していきました。
――あなたにとってスニーカーとは?
まさに人生そのものです。購入したスニーカー全てに、購入するまでに苦労した思い出や深い思い入れが詰まっています。
スニーカーだからこそ「共に歩む」という言葉がピッタリと当てはまる……自分にとってはそんな存在です。
――90年代のファッションやスニーカーへの思いを教えてください
ファッション同様にスニーカーもその時代ごとに流行やブームのカタチが出来上がります。
その流れに乗って初めて、スニーカーの魅力に気付く方や、スニーカーの選び方が流行に影響される方も少なくないと思います。
流行やブームの影響から少し目を逸らして、誰かの感性や付加価値でスニーカーを履くのではなく、自分が本当に履きたいと感じるスニーカーを見つける。それができればスニーカーライフがより楽しくなると思います。
(4)「シンプルさと配色の面白さ」
@kei_yamashiroさんのお話は、2024年3月に公開されました。
――生活においてスニーカーとどのようにかかわっていますか?
都内在住の会社員です。中学時代からスニーカーが好きになり、今では200~300足程のコレクションに囲まれて生活しております。
また普段の生活においては、会社へのスニーカー通勤が可能ということもあり、休日も含めて日常的にスニーカーに触れる機会に恵まれていると思います。
――購入した理由やキッカケは?
まず私がプーマのスウェードに興味を持ったキッカケは雑誌『SHOES MASTER(シューズ・マスター)』です。高校時代に読んだその雑誌の中で日本製のプーマスウェード(『匠コレクション』)が特集されていた記事が今でも強く印象に残っています。
また、同雑誌から派生して出版された書籍『Sneaker Tokyo(スニーカー・トーキョー)』の第3弾で、1冊丸ごとプーマ特集となっていたこともさらに魅力的に映り、プーマに対する興味が強くなりました。どのモデルを最初に買おうか迷い、大学時代に始めてプーマスウェードを購入するに至りました。
――お気に入りのポイントは?
一つはクラシックな外羽根のシルエットです。ひと目見た時にプーマのモデルだと分かるシンプルさに加えて、靴紐を側面のフォームストリップと合わせたり、ファットレースを通した時の装いも個人的にカッコいいと思います。
もう一つは配色です。黒/白、グレー/白、紺/白、赤/白、黒/黒の定番色とは別に、シーズナルカラー含め、毎年様々なバリエーションが発売されているのも見ていて楽しいです。例えば緑/白も過去に幾度と発売されている配色ですが、発売された時期によって緑の色合いが異なっていたりするので、そういった点でもコレクター心をくすぐるモデルだと思います。
――履く際のコーディネートやスタイリングでこだわっていることは?
まずはとにかくスニーカーありきです。その日の履きたい気分で選びます。次にジーパンやチノパン、カーゴパンツ等々と合わせる格好が好きです。
こだわりについて強いて言えば洋服のサイズ感や、身に着ける服と色を合わせたり敢えて外したりするくらいです。
――kicksラバーになったキッカケは?
スニーカー好きになったキッカケは中学時代(2007~2008年頃)に遡ります。その頃クラスの周囲ではとあるブランドのスニーカーを着用している人が多かったので、天邪鬼な性格が働き、「人とは違う足元を選ぶぞ!」と色んなブランドやモデルについて調べているうちにスニーカーにのめり込んでいきました。
加えて同時期に洋楽のHIPHOPも好きになり、Kanye WestやFat Joeといった海外のアーティストが、新品のフレッシュなスニーカーを履いてMVに登場したりする姿が非常にカッコよく見え、憧れを抱いたこともスニーカー好きになったキッカケの一つです。
またスニーカーにまつわる思い出も多数ありますが、長い間探していたモデルを手に入れた時の高揚感や、共通の趣味を通じてスニーカー好き同士話が盛り上がる時間は何にも代えがたい幸せだと思います。
――あなたにとってスニーカーとは?
自分自身のアイデンティティを形成している要素の一つです。
――90年代のファッションやスニーカーへの思いを教えてください
私は1995年生まれで、正直なところ80〜90年代についてはリアルタイムで分からない部分が多いです。
ただ80〜90年代当時に販売されていた雑誌について調べたり、私より上の世代のスニーカー好きの方と会話したりすると、SNS等を使って情報が手に入れやすい現代とは違って、自分の足で情報を稼ぐ人達が多かったのだろうな思っています。ちなみに私はどちらのスタイルも好きです。
本題から少しそれますが、自分が好きな一足にまつわる背景やストーリーについて、掘り下げれば掘り下げるほど、よりその一足に対する愛着が増して思い入れも強くなると思います。
あの頃の定番スニーカー・プーマ『スウェード』とは
1968年にトレーニングシューズとして誕生した、50年以上もの時を経てもなおあらゆる世代に愛され続けるプーマの不朽の名作。80年代には数々の有名アーティストたちに愛用され、ヒップホップカルチャーやスケートシーンに欠かせないマストアイテムとして世界中にその名を広めました。スポーツシーンのみならず、ファッションや音楽、アートなどのカルチャーシーンに根付いたモデルです。