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1年かけてスタッフと企画、パトリック『LUMINEコラボ』の物語。Z世代に刺さるルミネをイメージしたブルーの生かし方は?【パトリック担当者がスニーカーを語る】

2024.11.07

仕事で日々スニーカーに向き合い、肥えた視点をもつメーカー担当は、あのモデルをどう見ているのか。今回ピックアップするのは、『パトリック(PATRICK)』ABCマートLUMINE店とのコラボレーションモデル。日々店頭に立ち、お客さまのリアルな生声を肌で感じているショップスタッフが一から企画に携わったからこその、「こんなの欲しかった」が詰まったモデルが完成しました。

1年かけてスタッフと企画、パトリック『LUMINEコラボ』の物語。Z世代に刺さるルミネをイメージしたブルーの生かし方は?【パトリック担当者がスニーカーを語る】

パッと見たときに目を引く、鮮やかなブルー。ルミネをイメージしたブルーを軸に、履きやすさとトレンド性の両立を意識したLUMINEコラボの魅力について、カメイ・プロアクト株式会社の冨山さんが語ってくれました。

ショップスタッフが、一から企画。LUMINEコラボが誕生

1年かけてスタッフと企画、パトリック『LUMINEコラボ』の物語。Z世代に刺さるルミネをイメージしたブルーの生かし方は?【パトリック担当者がスニーカーを語る】

――まず、コラボの経緯を教えてください。

ABCマートさんと取り組みをしているなかで、よりパトリックをフィーチャーしようと始まった企画です。パトリックの年齢層は、30〜50代がメインなので、ルミネで買い物をするような10〜20代の若年層や感度の高い層にブランドを知ってもらうきっかけになれば、と企画が進みました。

――商品を作っていくにあたりこだわった部分は?

まずは、「ルミネをイメージさせるブルーを、どこに使うか」からスタート。ブルーの色を再現するべく、一から色を作っているんですよ。パントーンナンバーと照らし合わせて、ぶらさないように色出しをするのにはこだわりましたし、大変だった部分でもありますね。ラインの部分の革はもとから地色があるので、染めてみては何度もやり直したりして。結構難しい部分もありましたが、ここは妥協せずに進めました。

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また、このブルーに合うように、ロゴやステッチのカラーなどにもこだわりました。シュータンやサイドのブランドロゴをシルバーに統一したところも、こだわりです。

――色の配置も絶妙ですよね。これもショップスタッフと相談しながら?

そうですね。私たちメーカーの担当者とショップスタッフ総勢で、見本帳をばーっと何色も出して、会議を重ねて。実際に売り場で接客するショップスタッフならではの肌感で、お客さまに喜んでいただけそうなカラーリングが落とし込まれていると思います。

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――ショップスタッフが一から企画に参加することって珍しいんでしょうか。

グローバルブランドだと本国のアプルーバルが必要ですが、そういった意味ではパトリックの場合は自社でコントロールが可能です。私たちもメーカーサイドも積極的に参加しながら、企画を進めました。ショップスタッフさんには「どんな意見でも聞き受けてくれたので、どんどん意見を言い合ってしまった」と感謝されています(笑)

今回は「ルミネをイメージしたブルー」というテーマがしっかりありつつも、パトリックのブランドイメージを崩さないというのが課題でした。フランスのにおい、パトリックらしさ、というのもしっかり消費者に伝わったらいいなという思いです。ショップスタッフさんが先導を切って進んだ企画というのも、ストーリーとして魅力的かなと思います。

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――3型それぞれ、一色ずつなんですね。その理由は?

店頭での見え方は意識しました。3種類ともそれぞれが違う素材、違う形なので、3足を並べてディスプレイした時に「カッコイイ」と思えるデザインになるように、タグと2本線は統一のブルーにしました。

また、パトリックにはいろんな形があるので、さまざまなニーズを汲みたいという思いがあります。履きやすさを重視したい人は、マラソン<MARATHON>。スタイリングのポイントとするなら、ブロンクス<BRONX-LE>。ボストンサン<BOSTONSUN>は、季節感を意識して作りました。

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アイコニックなのに、履くと馴染む。ディテールへのこだわり

――それぞれの魅力を教えてください。まずは、『マラソン』から。

パトリックのアイコンでもあるのが、『マラソン』。(コアカラーのホワイトが)30周年のアニバーサリーイヤーなので、これを記念してルミネカラー「LMN」を展開しました。ブルーをどのように置くかには、こだわりましたね。スエードとのコントラストが出過ぎないようにあえてソールにホワイトを挟んだりして、絶妙な配色に仕上げています。ラインをスエードにしたり、女性らしいシルバーカラーのタンにしたり。やわらかい色味にこだわっています。ツヤ感のあるナイロン素材で、上品な印象になるようにもしました。

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――おすすめコーディネートは?

3モデルの中で一番「LUMINEっぽい」カラーリングに仕上がっているのがこちら。カジュアルでもフェミニンでも、マッチすると思います。全体的に薄めの色でまとまっているので、モノトーン系のスタイリングに合わせても、足元がパッと明るい印象になります。

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――『ブロンクス』は、いちばん存在感がある気がします。

色のコントラストも強いので、3型の中では一番個性派かもしれませんね。オレンジメッシュのものが、原型で1970年代から愛されているモデルです。『ブロンクス』がコラボレーションに参画するのは、じつは今回が初めて。特別感が出るように原型を少しアップデートして、2本線を通常より少し太めに仕上げていたり、ルミネ仕様にボディをレザーに変えたり。トレンドの流れのなかで、またいろんな人に履いていただけたらうれしいです。僕としても、個人的に一番思い入れがありますね。

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完成を見て「かわいい」の声が一番上がったのがこれです。ガムソールで懐かしさもありつつ、トレンドを意識しました。

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――おすすめコーディネートは?

最近流行りの韓国系ファッションなど、ミニスカートでもハマる一足。紐の結び方をダブルリボンにして、さらにガーリー感を演出しています。縦にラインの入ったソックスと二本線をリンクさせて。ヴィンテージライクなガムソールが存在感を放ちます。

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オールデニムのコーディネートにも、映えると思います。セルビッチの入ったデニムと合わせて、二本線とセルビッチをリンクさせてもおしゃれ。

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――『ボストンサン』は、キレイめに履けそうです。

季節感を第一に考えたのが、こちらのモデルです。ショップスタッフさんからは「LUMINEのお客様が好まれそうな形」との声が上がりました。このブルーはどちらかというと夏らしいカラーだからこそ、スエードの毛羽立ち感は大切に。素材で秋を感じていただけたらうれしいです。オールスエードで大人っぽい印象の落ち着きや、グレーのソールで統一感を出しました。

また、定番の太ひもをすっきり見せるために細ひもに変えています。ひもの太さが違うだけで、全然、印象が変わりますよね。また、『ボストンサン』だけが、ソールがルミネオリジナルのものを使っているんですよ。

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――おすすめコーディネートは?

キレイめスタイルにもなじむ一足。フェミニンなコーデの雰囲気をキープしつつも、ポイントになります。潔く真っ白なソックスと合わせるスタイルもかわいいと思います。オールスエードで革馴染みも良く、履けば履くほど自分の形になってくれるのもいいですよ。

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――どれもそれぞれの魅力がありますね。

なじみやすいので自由に履いていただきたいですね!

当時流行ったモデルに、「今」というフィルターをかける

――パトリックのアイコン的モデルが今っぽく進化していますね。

『マラソン』も『ブロンクス』も1970年代にデビューした靴だと思うと、時代の流れを感じますよね。『ブロンクス』は日本に入ってきた1990年代にとても売れたんですよ。その背景というのが、90年代にミリタリーの「MA1」が売れたことが大きかったと言われています。『ブロンクス』の配色が、MA1を彷彿とさせるということで、その時代に爆発的に売れたそうです。現在90年代のコーディネートが再燃していることもあり、またリバイバルで愛される存在になれたら、という思いがあります。

――ファッションのトレンドは、繰り返しますよね。

パトリックは、130年以上のヒストリーがあるブランドです。当時流行っているものをアーカイブとして、いまのフィルターを通して新しく出すのは積極的に行っていきたいですね。同時に展示会は年4回行い、そのタイミングで常に新しいモデルも提案しています。コラボレーションもたくさん仕掛けていきたいです。今回のLUMINEコラボのように、お店とコラボしたり、キャラクターやブランドとコラボをしたり。他業種とのコラボレーションにおいて、よりいろんな世代にパトリックの良さを知ってもらえたら、と思っています。

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