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「僕は秋田が好き」エアフォース1を履いて秋田ライフ満喫の秋田ノーザンハピネッツ・中山拓哉選手 <Bリーグ×ファッションの密な関係Vol.11>

2019.03.02

秋田県初のプロスポーツチーム『秋田ノーザンハピネッツ』が、渋谷に乗り込んで戦った、サンロッカーズ渋谷VS秋田ノーザンハピネッツの2連戦。渋谷のホームの一角が秋田のチームカラーであるピンクに染まり、ときには渋谷の声援がかき消されるほどの秋田コールが起こるエキサイティングなゲームが繰り広げられました。『クレイジーピンク』と呼ばれる秋田ノーザンハピネッツのブースターは、他チームが秋田のホーム戦を嫌がるほどの熱狂的な応援で知られています。

「僕は秋田が好き」エアフォース1を履いて秋田ライフ満喫の秋田ノーザンハピネッツ・中山拓哉選手 <Bリーグ×ファッションの密な関係Vol.11>

ⓒAKITA NORTHERN HAPPINETS

今回は、秋田ノーザンハピネッツのポイントガード・シューティングガードの中山拓哉選手(24歳)が登場。中山選手は、東海大学4年次のインカレでアシスト王と優秀選手賞を獲得、2017年ユニバーシアード日本代表候補に選出され、大学在学中に秋田ノーザンハピネッツに入団しました。「僕は秋田が好き。きっとブースターは僕のことを息子のように思ってくれている」と“秋田愛”を語る中山選手に話を聞きました。

「僕は秋田が好き」エアフォース1を履いて秋田ライフ満喫の秋田ノーザンハピネッツ・中山拓哉選手 <Bリーグ×ファッションの密な関係Vol.11>

秋田の横浜っ子Bリーガーが雪道用に選んだシューズは……?

——中山選手は横浜市出身で、高校・大学も関東でした。秋田のチームでプロバスケットボール選手になったときに、気候の変化についていけましたか?

「秋田に来て2年ですが、いまだに冬の寒さと雪には慣れないです。秋田ではほとんどの人が車移動で、冬は車に積もった雪をおろして、雪道をすべらないように運転して練習場に行って、終わって家に帰るという繰り返し。15歩しか外を歩かないような生活です(笑)。でも、ごはんが美味しくて人も温かい、僕は秋田が大好きです

——15歩しか歩かない生活ですが(笑)、プライベートで履く靴は秋田に来て変わりましたか?

「ふだん僕が履くのはほぼスニーカーですが、大学までよく履いていた『ナイキ(NIKE)』のフライニット生地のスニーカーは雪道ではすぐに濡れてしまうので履けなくなりました。それで見つけたのが、ナイキのエアフォース1 フォームポジット プロカップ<AIR FORCE1 FOAMPOSITE PRO CUP>です。この素材が良いんです! 触ってみてください」

「僕は秋田が好き」エアフォース1を履いて秋田ライフ満喫の秋田ノーザンハピネッツ・中山拓哉選手 <Bリーグ×ファッションの密な関係Vol.11>

——すごいツルツルだ! 合成皮革で水を弾いてくれるんですね。ソールとアッパーの境目がわからないくらい真っ白で、とても洗練された雰囲気を持っているスニーカーです。

「もともとエアフォース1が好きでよく履いていたのですが、このスニーカーはエアフォース1ンのシルエットのまま光沢のある素材を使っていてきれいだし、雪道でも歩けるから秋田で重宝しています。あとは、雪に埋もれないハイカットのスニーカーを使いまわしています」

「僕は秋田が好き」エアフォース1を履いて秋田ライフ満喫の秋田ノーザンハピネッツ・中山拓哉選手 <Bリーグ×ファッションの密な関係Vol.11>

『ファッションアイコン賞』を狙ってみる…… ?

——今日は『LACOSTE(ラコステ)』のセーターに、『EDWIN(エドウイン)』のデニムと、とても爽やかなファッションで来てくれました。試合中のガツガツしたアツい中山選手ばかり見ていたので、私服とのギャップに驚きました!

「あれ? 今日、僕はディスられに来ていますか(笑)? 僕はシンプルな服装が好きなので、トップスはラコステやラルフローレン、パンツはエドウイン以外だとサイズ展開が多いユニクロが多いです。同じ大学の1年先輩にベンドラメ礼生さんがいるのですが、礼生さんはいつも個性的な服をおしゃれに着こなしています。あんなふうにファッションで攻めてみたいなと思うけれど、そこまでなかなか踏み込めない。これから1年かけて、少しずつイメチェンしていこうかな」

——賛成! 中山選手は足が長くて体格もいい。とても良いスタイルを持っているので、どんな服も着こなせると思います!

「秋田から『Bリーグ・ファッションアイコン賞』受賞者を出しちゃいますか!」

——ぜひ! 狙っていきましょう!

「僕は秋田が好き」エアフォース1を履いて秋田ライフ満喫の秋田ノーザンハピネッツ・中山拓哉選手 <Bリーグ×ファッションの密な関係Vol.11>

ピンクのユニフォームに合う、カイリー5は?

——靴下はSTANCE(スタンス)ですね。スタンスは、NBAの公式ソックスとして有名ですが、個性的なデザインでファンが多いブランドです。

「Bリーガーでスタンスを履いている選手は多いと思います。秋田は移動するときスーツ着用ですが、先輩たちがスーツにスタンスを合わせていて、それがカッコよくて影響されました

「僕は秋田が好き」エアフォース1を履いて秋田ライフ満喫の秋田ノーザンハピネッツ・中山拓哉選手 <Bリーグ×ファッションの密な関係Vol.11>

——中山選手は、試合ではナイキ・カイリー 5<KYRIE 5>を履いています。カイリーを選んでいる理由は?

「いろんなバッシュを履いたなかで最も自分の足にフィットしたのと、デザインが好きで履いています。色違いで何足か持っていて、ローテーションしているのですが、ユニフォームがピンクで何色が合うか分からず混乱していて(笑)、薄いピンク・白・青・黒などいろいろ持っています。今は無難に黒を履くことが多いです」

「僕は秋田が好き」エアフォース1を履いて秋田ライフ満喫の秋田ノーザンハピネッツ・中山拓哉選手 <Bリーグ×ファッションの密な関係Vol.11>

——映像で試合を見ると、中山選手はタイツとソックスのあいだから少し肌が見えていて、見分けやすいです。

「僕はこの“少し足が出ている状態”が動きやすくて、いつも少しだけあけています。ただ、映像で見分けやすいのは、僕がガニ股だからでしょう?」

——違いますよ(笑)!

「笑っちゃってるじゃないですか! 僕はスニーカーの内側が擦るくらいガニ股で、矯正したいけれどなかなか直らないの。親に聞いたら小さい頃からガニ股だったみたいです。先輩たちからも態度がデカく見えるよと言われていたけど、最近は慣れてきて何も言われなくなりました」

「僕は秋田が好き」エアフォース1を履いて秋田ライフ満喫の秋田ノーザンハピネッツ・中山拓哉選手 <Bリーグ×ファッションの密な関係Vol.11>

ⓒAKITA NORTHERN HAPPINETS

能代工業が培ったバスケ文化が、秋田県初のプロスポーツチームを押し上げる

——今回の渋谷遠征は、惜しくも2連敗という結果でした。2日連続で試合でしたが、1日目の敗戦を引きずらないために心がけていることはありますか?

「大学のヘッドコーチが、勝っても負けてもその日の夜12時を超えたら考えないようにして次の試合に備える『24時間ルール』というのをつくっていました。僕はそれが習慣になっているから、落ち込んだ気持ちを引きずることはないです」

——“24時間ルール”は、スポーツ選手だけでなく、学生や会社員でも使えそうですね。ミスしたことに落ち込んでいると次に進めないから、こんど真似してみます。中山選手は今シーズンから出場時間が伸びました。試合に出場し続けるために努力していることを教えてください。

「僕はどうしても試合に出たいんです。プロとしてコートに出て自分を表現することが大切だと思うから、少しでも出場時間が長くなるように、コートでの1秒を全力でプレーしています。一方で、連戦で疲労が溜まっている場合にパフォーマンスが落ちてきたなと感じるときには、いったんベンチに下がりたいとコーチに伝えたりもします。試合も後半になると、体が慣れてアドレナリンが出て疲れを感じなくなるので、そんなことはほとんどないのですが」

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——秋田といえば高校バスケの名門・能代工業高校が有名です。能代工業が秋田のバスケ文化に与えた影響は大きいと思うのですが、中山選手は秋田でプロ選手になって地元のバスケ愛を感じることはありますか?

「県民のバスケへの関心の高さを感じます。それは、能代という圧倒的な存在が文化のベースをつくったのだと思います。それがきっと影響していて本当に秋田全体がチームを応援してくれているのを感じています。今回の渋谷遠征もそうですが、遠征先が沖縄でも必ず応援に来てくれる心強い仲間です。今は秋田県に住んでいない秋田出身の方たちもたくさん来てくれるんです。ホームの試合では他の会場にはない一体感があって、観客は試合を観戦しているというより、一緒に参加している感じ。コートに立っていると、応援に包み込まれるような感覚になります。街を歩いてもいろんな人が『あ! タクちゃん! 今週末はがんばってね』と声をかけてくれる。僕は大学在学中にチームにジョインしたから、県民の皆さんは僕を息子みたいに見てくれているのかなと思っています

「僕は秋田が好き」エアフォース1を履いて秋田ライフ満喫の秋田ノーザンハピネッツ・中山拓哉選手 <Bリーグ×ファッションの密な関係Vol.11>

バスケットボールの試合は、一心にゴールを目指す選手たちのドリブルやシュートが見ものですが、秋田の試合を見ると、その必死のディフェンスに思わず心を奪われます。相手をゴールに近づけないように張り巡らせた選手の集中力は観客席まで伝わるほどの緊張感があり、いつの間にか秋田のディフェンスを息を詰めて見守ってしまうほど。秋田の試合を見ると、“応援したくなるディフェンス”というのがあるのだと気がつくはずです。

「僕は秋田が好き」エアフォース1を履いて秋田ライフ満喫の秋田ノーザンハピネッツ・中山拓哉選手 <Bリーグ×ファッションの密な関係Vol.11>

トップス:LACOSTE
パンツ:EDWIN
シューズ:NIKE

どんな質問にも笑顔で楽しそうに答えてくれた中山選手ですが、試合ではアグレッシブにプッシュしていくアツいプレーで、見る人にバスケットボールの面白さを教えてくれます。会場全体がピンクに染まる圧巻の『クレイジーピンク』を体感しに、秋田のホーム戦に参加してみてはいかが?

Interview&Text by 石川歩
INTERVIEW / TEXT:石川歩
PHOTO:白松清之