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「エアジョーダン1ディオールは全身メタリックでキメる」シーホース三河 ブランドン・ジャワト選手<Bリーグ×ファッションの密な関係Vol.44>

2022.10.21

Bリーグ×ファッション連載44回目は、シーホース三河ブランドン・ジャワト選手(通訳:鈴木泰輔さん)が登場。ジャワト選手は、カリフォルニア州生まれのインドネシア国籍で、ハワイ大学卒業後にインドネシアでプロデビュー。2021年に宇都宮ブレックスに入団、2022-23シーズンからシーホース三河に在籍しています。

故郷の応援の意味が込められたファッションに身を包んだジャワト選手に、プレミアムスニーカーの履きこなしからモテるために必要なこと、日本の男性ファッションについても聞いてみました。

「エアジョーダン1ディオールは全身メタリックでキメる」シーホース三河 ブランドン・ジャワト選手<Bリーグ×ファッションの密な関係Vol.44>

農家をサポートするタロイモTシャツ

――今日は、ナイキ エアジョーダン1ハイ ブラック・メタリックゴールドに、黒のTシャツとパンツを合わせています。コーディネートでこだわった点は?

今日は、”心地良さ”がテーマです。履き心地が良いもの・着ていて心地良いものを選んできました。まずスニーカーは、レザーの履き心地に加えて、シンプルなブラックのボディにゴールドのスウッシュが映えていてカッコいいのがお気に入りです。

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スウェットパンツは、バリのローカルにある店の服です。小さな店を応援したいので、僕が着る服はローカルの店で買うことが多いです。Tシャツもインドネシアのロコブランドで、友だちがやっている『S.CH』という小さな店の服です。友だちの仕事っぷりを応援しているので、今回はこのTシャツを選びました。

Tシャツに描かれているのは、インドネシアでメジャーなタロイモの葉っぱです。自転車で刈谷(シーホース三河の練習場がある町)を走っていると似た葉っぱをよく見かけるので、日本の皆さんにも馴染みがあるかもしれません。そして、このTシャツには農家の人たちをサポートする意思が込められています。ロサンゼルスの母親とインドネシアの家族が農業をしていることもあり、僕自身も農家の人たちを応援しています。

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――ファッションで影響を受けた人はいますか?

学生の頃にロサンゼルスにいて、周りの人たちはすごくファッションにこだわっていました。その影響は受けていると思います。周りにいたバスケットボール選手もそうですね。靴にこだわりがあり、最新のスニーカーが出るたびに買っていたので、そういうファションへの姿勢は少しずつ影響を受けていると思います。

今のNBA選手なら、ケリー・ウーブレイJr.、ジョーダン・クラークソン、カイル・クーズマに注目しています。今は自分のファッションブランド『WATO(WE ARE THE OTHERS)』を始めたので、挙げたような僕が影響を受けてきたものに加えて、他のブランドからの影響も少しずつ取り入れながら、広めていきたいと思っています。

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ジャワト選手のモテ指南

――日本の男性のファッションには、女性から見た最適解が正解という側面もあります。ジャワト選手は、このようなファッションの捉え方をどう思いますか?

ある意味では、他の国でも女性の視線を気にした男性のファッションはあると思います。例えば僕の場合、普段は自分が着たいものを着る! 周りがどう思っていても、自分が着たいものを着ています。でも、デートに行く時のファッションは、もちろん相手の女性に好かれたいから、彼女の好きそうな服を選んで着ます。

でもね、僕は最終的には何を着ていても女の子に好かれてしまう自信があります! そこには絶対に自信がある。僕はどんな服装をするよりも、アクティブに動ける服を着たほうが女性にモテます。それに、女性に褒められる前に自分から相手を褒める。女性との関係は、僕が先に進めていくんです。

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――どうしたら、ジャワト選手みたいにモテるようになれますか? 

一番大事なのは、自信を持つことです。周りに惑わされず、自分自身に自信を持つのが本当に一番大事です。あとは、自分自身が絶対にブレないために自分のことを愛せるようになる。自分を愛さないと、誰も愛せないですから。そして、自分のことをきちんと表現できるようになるのが大事だと思います。

――自分に自信を持つのはすぐに実現できることではないし、難しいことです。

実は、僕も自分を愛せるようになったのは最近です。僕の経験を話すと、以前付き合っていた女性はプロのアスリートでした。本当は、プロ選手同士、お互いの生活を理解し合えればよかったのですが、彼女は”構ってちゃん”でした。僕はバスケットボールに最善を尽くしたいけれど、彼女は僕がバスケに集中したいときも構ってほしい人だった。僕は彼女に全てを与えていましたが、彼女を最優先にして自分のことを考える時間が無くなるにつれて、関係が負担になっていった。結局、彼女との関係はうまくいきませんでしたが、この経験で学んだのは、まずは自分を愛さないとお互いに幸せになれないということです。この話をしたのは、読者の皆さんに自分を愛するためのアドバイスを伝えたいと思ったからです。

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エアジョーダン1ディオールは、全身メタリックでキメる

――ジャワト選手の最近の自慢のスニーカーは、エア ジョーダン1 OG ディオールです。購入希望者のエントリーが500万人に上ったというプレミアムスニーカーです。

まだ履いたことはないです。もしかしたら息子にあげるかもしれません。とはいえ、僕はまだ子どもがいないから、いつになるのか分かりませんが(笑)。
自分で履くなら、上から下までメタリックシルバーの服でキメます。サングラスもシルバーです。本気で全身シルバーにするので、いつかそのコーディネートをしたらInstagramにアップしましょう。というのは、以前、ディオールのスニーカーに合うシルバーの服が欲しいと思って自分で作ったんです。インドネシアでは生地がすぐに手に入るから、「こんな服が着たい」とイメージが湧いた服を自分で作ることができます。

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――全身メタリックシルバーのコーディネートは、かなり目立ちます! 周りの視線が気になることはありませんか?

昔は気にしていましたが、今は全く気にしていません。今は自分のことしか気にしていない。全員を満足させることはできないのだから、周りを気にするという考え方をやめました。もちろん、同じ場にいる人や自分がいる文化に対して失礼がない服装を意識しますが、最終的には自分が満足していればいいと思っています。

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写真提供:シーホース三河 ブランドン・ジャワト選手

先日の僕は、全身ピンクの服を着ていました。”バレンタインの男”みたいでしたよ。朝起きて、着たいと思ったものを着るんです。以前、とても暑い時期にバリに行った時は、女性用のクロップドトップス(胸のあたりで切り落とした短い丈のトップス)とジーンズで過ごしました。「なんだこの人は?!」という視線は感じましたが、そんなものは気にしません。

――ジャワト選手はタトゥーが印象的です。ジャワト選手にとってのタトゥーとは何ですか?

家族・文化・自分は誰なのか・自分を愛すること・日々の行動に関することを入れています。首には、バリの言葉で「家族」という意味の言葉を入れています。腕と手には祈りに関すること、今日は何回祈ったのか数えましょうというリマインダーにもなっています。

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「エアジョーダン1ディオールは全身メタリックでキメる」シーホース三河 ブランドン・ジャワト選手<Bリーグ×ファッションの密な関係Vol.44>

一つひとつのタトゥーには、必ず意味があります。そのタトゥーを入れてくれるのは友だちや従兄弟で、タトゥーの意味や、それにまつわるストーリーを自分の近い人と共有できるのもタトゥーを入れる一つの理由です。ただ、入れる時は本当に痛いし、数が増えるほど痛みも増します。すぐに新たなタトゥーを入れることはありませんが、今後も増えていくと思います。

毎日がアドベンチャーだ

ージャワト選手はインドネシアでプロ選手になり、宇都宮ブレックスを経て、今シーズンはシーホース三河に在籍しています。それぞれの環境に早く馴染むために、意識していることはありますか?

常にポジティブでいることを意識しています。いつもポジティブなバイブスを出していると、みんなに伝わっていくと思います。それに、シーホース三河はみんな仲がよく、すぐにファミリーであることが伝わってきました。本当に、スムーズにチームに合流できました。

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僕はバスケットボール選手で、僕にとってのバスケは人生を楽しむものでもあります。ただ、バスケは限られた時間しかできず、その後の人生のほうが長いわけです。バスケ選手をしている今も、その後の人生も、全てを含めた人生をどう楽しむかという意識を持ちながらコートに立っているし、同じような意識でオフコートも過ごしています。

だから、毎日を漫喫しています。刈谷の町を自転車で走ること、とても便利なJRに乗ること、買い物をすること、食べることを楽しんでいるし、日本の人もとても親切です。僕は古着も好きだから、休みの日は名古屋市内に古着を探しに行きます。毎日がアドベンチャーだと思って、行動しています。

「エアジョーダン1ディオールは全身メタリックでキメる」シーホース三河 ブランドン・ジャワト選手<Bリーグ×ファッションの密な関係Vol.44>


Tシャツ:S.CH
パンツ:バリのローカル店で購入
スニーカー:NIKE

取材・文:石川歩
写真:村上智哉
取材協力:シーホース三河

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